J.ゲール、北原理雄訳『屋外空間の生活とデザイン』
第一部・第二章、屋外活動と屋外空間の質
屋外活動と屋外空間の質

屋外活動の広がりと性格は、
物的計画の在り方によって大きな影響を受ける。

両極端の例
A:高層建築、地下駐車場、大量の自動車交通、分散して配置された建物と機能の街。
(北アメリカと「近代化」されたヨーロッパの都市、そして各地の郊外地区)

建物と自動車ばかりが目につき、人の姿はわずかしか見られない。
屋外空間は、大規模で
人間の尺度に合っていない
都市
空間が間延びしているのに加えて、屋外で体験すべきものがあまりなくわずかな活動も、時間と空間の広がりのなかに散在

B:建物が
程よい高さと間隔を保ち、歩行者のための施設が具わり、街路沿いに屋外活動のための快適な場所が用意され、それらが住宅、公共の建物、職場などと密接な関係を持っている街。

屋外空間が利用しやすく、利用者を引き付ける。使いやすい
屋外空間が建物内部の空間を補い、公共空間が十分に機能を発揮している。


屋外活動と質の改善

屋外空間の質を改善することは、街の日常活動と社会活動にとって大きな意味を持つ
イタリアの例だが、
歩行者街路と車を規制した広場がある街では、気候条件が同じでも、屋外の都市生活が、近くの車本位の街に比べてはるかに活発に行なわれている。
メルボルンでは、歩行者街路のベンチの数を100%増やす実験が行なわれ、これによって座る行動が88%増加した。

簡単な物的改良によって都市空間の利用が目立って改善された例が幾つもある
アメリカでは、ニューヨークをはじめとする多くの都市で、「公共空間プロジェクト」にもとづく改善計画が実施され、同様の成果を挙げている。
ヨーロッパとアメリカでは、住宅地でも、自動車交通を減らす対策、
街区の内側にある中庭の整備、公園の設計、都心部と同じ屋外空間の改善が行なわれ、著しい効果を挙げている。


屋外活動と質の低下

逆に、多くの屋外活動が記録され、近所付き合いの輪も大きな広がりを持っていた、車両交通量がわずかしかない街路(1日2000台)の交通量が大きく増加した例もある。
1日16000台に増加した街路では、屋外活動も近所付き合いもわずかしか見られなかった。
1日8000台になった街路でも、予想を上回る現象が観察された。

屋外環境の質の低下が、たとえ比較的限られたものであっても、屋外活動の広がりに不釣り合いなほど厳しい悪影響を及ぼすことを強く示している。


かくれた可能性を解き放つ

屋外空間の質を改善すると、多くの場合、屋外活動が著しく増加する。この事実がはっきり示しているのは、
ある場所である時点の実体を調べても、公共空間と屋外活動の必要性を正しく把握できるとは限らないということである。
コペンハーゲンでは、1962年に、スカンジナビアではじめて都市の幹線街路を歩行者街路に改造する計画が実施された。当時、多くの評論家は、「北欧には都市活動の伝統がない」ので街路はさびれるだろうと予言した。

今日、この大きな歩行者街路は、人々で溢れている。
活発な都市アクティビティが見られなかったのは、それまで、そのための物的な可能性が用意されていなかったためである

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