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先都市期の住居は、あるひとつの社会に見られる自然および文化的条件に対する人間の建築的な解答だと考えられる。もちろん、すべての人がこの考えに賛成しているわけではない。遠く離れた二つの素朴な社会で建築の形が似ている場合に、先史時代の共通の遺産であるとか、相互の影響のためだとか、あるいは偶然の所産であると説明されることも多い。しかし、ほとんどの場合、これらの説明は事実に立脚したものだとは言えないだろう。むしろ、建築の形の類似性は類似した決定因子によるものだという説の方が、的を得ていると思われる。この環境決定論における決定因子は、物的および地理的な因子のみでなく、人間とその文化の相互関係にまつわる因子、すなわち自然、社会、経済、宗教および政治的な諸因子の産物までも含んでいるのである。
ガブリエル・シュバルツは、その著書『世界の住宅地理』で、先都市期の土着住居について述べている。彼が行った住居の分類は、人文地理と社会経済の因子を強調しており、非常に参考になる。彼は六つの社会、経済および政治的な段階を明確に区別しており、そのおのおのが固有な住居や集落の形態をもっているとしている。 これら六つの住居型の分布を地理的に眺めると、それぞれの社会の社会経済的な発展の段階によく対応していることがわかる。おおまかにいうと、素朴な社会ほど居住に不適当な地域に住んでおり、複雑な社会ほどより好ましい地域に住んでいるといえそうである。例えば、数日かぎりやしばらく住まいの住居は、乾燥した熱帯の砂漠、高湿な赤道ジャングルおよび北極とその周辺のツンドラ地帯に特有なものであり、周期ごとに住み変わったり季節ごとに住み分ける住居は、主に亜熱帯の周辺部に見られる。そして、半恒久的および恒久的な住居は、農業に適した降水に恵まれた亜熱帯と温帯地方に限って見いだされる。 強調しておきたいのは、これらの六つの段階を経て住居が発展していくのは稀であることである。特に第三および、第四段階は牧畜を基礎としているので、純粋な農業発達の順序は1-2-5-6という段階、つまり狩猟と食糧の採集から、焼畑耕作、くわによる農耕を経て、余剰生産物を有した農業へと至る経路をたどるのである。 また、二つの段階のあいだを移行しつつある社会では、どちらにも分類できない例外が現れることがある点にも注意が必要である。しかし、このような例外にもかかわらず、上記の分類をもとにして、先都市期の住居の発展パターンを理解することができよう。 以上のような観点から、先都市期の住居を分析すると、建築形態についての新しい視野がひらけてくる。例えば、住居平面の初めは円形で、四角い住居は後の段階に属するものであることがわかる。また、住居が次第に大型化し、複雑になったとしても、いちがいに経済が発達したからだということはできないこともわかる。というのは、単純な社会で大規模な住居が建設された例が幾つかあるからである。このほかにも、予想もしなかったことが幾つも明らかになっている。 |
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